金子みすず『天人』と光明寺とのご縁
大正時代末期から昭和時代初期にかけて活躍した童謡詩人、金子みすゞ。
彼女の代表作の一つに『天人』という詩があります。光明寺の本堂の奥へ進み、見上げると金色に輝く天人様の彫刻が目に入ります。
これは、みすゞが『天人』という詩を綴るに当ってインスピレーションを得たものと言われています。
畳に座り、ふと見上げるとこちらを優しく見つめる天人-みすゞは何を感じ、詩を思い浮かべたのでしょうか?
お参りの際には、ぜひご覧ください。
『天人』
ひとり日暮れの草山で、
夕やけ雲をみてゐれば、
いつか参った寺のなか
暗い欄間の彩雲に、
笛を吹いてた天人の、
やさしい眉をおもひ出す
きっと、私の母さんも
あんなきれいな雲のうへ、
うすい衣着て舞ひながら、
いま、笛吹いてゐるのだろ。
夕やけ雲をみてゐれば
なんだか笛の音がする
かすかに遠い音がする
