世界中に広がるMOTTAINAI
ノーベル科学賞(2002年)を受賞した田中耕一氏は、「私の発見は、失敗後も<捨てるのはもったいない>と実験を続けたことから生まれた」と話し、「もったいない」が一躍有名になりました。
ノーベル平和賞(2004年)を受賞したケニア副環境相(当時)のワンダリ・マータイさんは、「もったいない」に共鳴してキャンペーンの名誉会長に就任し、国連や全米記者クラブの講演などで世界に発信しました。
「もったいない」は仏教専門用語ではなく、室町時代に一般化した言葉を蓮如聖人(れんにょしょうにん)が取り入れて、浄土真宗の法味を的確に表現する言葉となったようで、多くの念仏者が口にしてきました。
蓮如上人が廊下に落ちている紙切れを拾い上げ、「一枚の紙もこれみな仏法領のもの(仏より恵まれたもの)、もったいない」と押し頂かれた話は有名です。
「もったいない」は、単に「無駄にしない」「節約する」だけでなく、「かたじけない」と感謝する心ではないでしょうか。