ご門主様「お言葉」

このたび私は、本願寺住職、浄土真宗本願寺派門主を退任することにいたしました。

 

一九七七(昭和五十二)年四月に就任して以来、満三十六年が過ぎました。明年の六月五日をもって、退任いたします。

 

先代・勝如門主は一九七三(昭和四十八)年の本山本願寺における親鸞聖人御誕生八百年・立教開宗七百五十年のご法要を終え、引退をお決めになりました。

 

私は、親鸞聖人七百五十回大遠忌法要のご満座の導師をつとめることができました。そして、時代の変化に対応するよう宗門の組織が整えられました。十年後にはご誕生八百五十年を迎えます。新たな歩みを始めるよい時期であると考えます。

 

後を継ぎます新門は、すでに、築地本願寺の副住職として実務に就くばかりでなく、首都圏をはじめ各地を訪ね、宗門の事情への理解を深めています。新鮮な感覚と知識を持って任を果たしてくれることと思います。

 

申すまでもなく、私は住職、門主の職務を離れましても、浄土真宗の僧侶であることには変わりはありません。退任後もご法義繁昌のため、その務めを果たす所存です。

 

宗門の行事等は一年以上前に準備を始める場合も少なくありません。継承が円滑に行われるよう、この時期に退任を表明することにいたしました。

 

二○一三(平成二十五)年 四月二十六日

本願寺門主 住職    大谷 光真

 

門信徒のみなさまへ

 

謹啓

 

慈光照護のもと、貴台におかれましては、ご法義の繁盛と寺門の興隆発展のためにご精進いただいておりますこと、また平素から実践運動推進にご高配を賜っておりますこと厚くお礼申しあげます。

 

さて、過日四月十三日から厳修いたしました立教開宗記念法要の四月十五日の法要ご親教に引き続き、ご門主・本願寺ご住職様から別紙のとおり明年六月五日をもってご退任される旨宣明され、また同時にお裏方本願寺坊守様におかれましてもご退任されることになりました。ご門主様ご退任後につきましては、新門・本願寺嗣法様が法統を継承され、新裏方様とともに私どもをお導き賜ることになります。

 

このたびの重大なご決意に、浄土真宗の流れを汲む一人として、今日までのご門主様並びにお裏方様のご教導に対する甚深の謝意を申しあげますとともに、これからの宗門・本山の新たな始まりを期して誠に身の引き締まる思いをいたしていることであります。

 

つきましては、ご門主様の正式のご退任まで一年有余の期間はございますが、今後とも宗派及び本願寺の協力体制の中において、ご門主様の思し召しを滞りなく遂行すべく宗門一丸となって諸準備を進めてまいりたいと存じます。皆様におかれましては、これからの取り組みに対し、なお一層のご協力を切にお願いし、取り急ぎ寸楮をもってお知らせいたします。

合掌

二〇一三(平成二十五)年四月二十六日

浄土真宗本願寺派 総長            園  城  義孝
本 願 寺 執行長            佐々木  鴻昭

 

ご住職様

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