ご門主 表白(ひょうびゃく)で非戦・平和の決意
「戦争を支持した宗門の歴史を深く省みて」
終戦記念日の8月15日、本願寺では終戦70周年戦没者追悼法要が営まれました。
ご門主の表白(全文)
敬って大慈大悲の阿弥陀如来の尊前に申し上げます。
本日ここに本願寺 釋 専如
恭しく尊前を荘厳し参仕の衆僧並びに有縁の方々と共に懇ろに聖教を読誦して 終戦70周年戦没者音庫法要を厳修いたします。
謹んで思いますに阿弥陀如来の智慧と慈悲は南無阿弥陀仏の名号となって 私たちを救おうと 常にはたらき続けてくださいます。
それは 智慧も慈悲もなく、自分中心の考えから敵と味方を区別し憎しみ傷つけあう 私たちのすがたを 阿弥陀如来は見抜かれているからであります。
顧みますとかつて日本は国を守るためとして戦争への道を選び私たちの宗門も それを支持してきました。
しかしながら戦火は国内外で人々の生活の場をも破壊しおびただしい命が失われ 後には大きな痛みと悲しみが残されました。
以来70年が経過した今、戦争の記憶が薄れ行く中で日本の平和への歩みは重大な局面を迎えています。
この法要に際して 戦争で亡くなられた すべての方々を想い追悼の心を新たにすると共に 私たちの根本的な愚かさと戦争を支持した宗門の歴史を 深く省みて 絶望や対立を超えて非戦・平和の決意を受け継いでいかなければなりません。
このうえはいよいよ聞法求道に精進して阿弥陀如来の智慧と慈悲を仰ぎつつ平和な世界を築くために 力を尽くしたいと思います。
敬って申し上げます。